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五黄土星について


九星を探求する上で決して避けて通ることができないのが五黄土星に対する考察です。五黄土星は「九星」ではありますが、「戊・己」の天干のみが配当され、八卦による象意が付与されることも地支(十二支)が配当されることもない極めて特殊な九星であるといえます。
上記の事実を鑑みれば五黄土星は九星であり人の気でありつつも、その影響力は「天の気」として考えなければなりません。


- 後天定位盤 -

五黄土星の扱いに関して、考えておかなければならないことに「方位」としての作用があります。八卦を持たない五黄土星の象意は「五行」の土気の性質を原理的に解釈することによって導かれます。土気は四季の変わり目、すなわち土用を意味します。土用は季節の変わり目を担う非常に重要な時期ですが、次なる季節を生み出す育成・成長作用(正の作用)を有すると共に、従前の四季を滅するという強烈な抹消・腐敗作用(負の作用)をも併せ持っています。

したがって、この「天の気」としての影響力を有する五黄土星の回座する方位は、万物を生み出す作用と万物を滅する作用という両極端な作用を人々にもたらす方位ということになります。しかも、人の気による影響よりもはるかに強力に人々にその影響を及ぼすこととなります。

本来、両極端な象意を併せ持つ五黄土星が回座する方位を、単純に「凶方位」と解釈すべきではないのですが、土用の作用は、従前の季節を滅してから次なる季節を生み出すことから、負の作用が先に生じることになります。
この負の作用が天の気として、人々に強烈かつ直接的に影響を及ぼすこととなれば、後に正の作用が現れるからといって、強烈な負の作用を安易に受け入れることは決して望ましいこととはいえないでしょう。また、滅せられてから、新たな育成作用が示現するという二つの作用がともに自分自身の身に起こるとは限りません。例えば、自分自身の命と引き換えに他人の命を救うような形で五黄の作用が示現した場合に、この吉の作用を本人が直接享受することはできません。これを吉作用と単純に解釈することは非常に困難です。

これらのことから、真気九星学において「五黄土星」の回座する方位は「凶方位」であると解釈する立場をとります。また、五黄土星と対冲する方位に対しても、吉凶の作用が逆転するだけで、これを吉方位と単純に解釈することは、やはりなかなか難しいことから、「暗剣殺」と呼ばれる五黄対冲方位も「凶方位」という解釈を行います。例えば、宝くじに当たった翌日に泥棒に入られてしまった場合に、これを単純に「吉」とは解釈できませんよね。
この「暗剣殺」の方位には、五黄土星以外の九星が回座することになるので、人の気としてその影響力を解釈したいところですが、「五黄=天」の対冲方位から導かれる凶方位なので、暗剣殺方位に回座する九星に関しては人の気でありつつも「暗剣=地」として、その影響力を考えることになります。これは八卦において「乾」を天、「坤」を地、「兌・離・震・巽・坎・艮」を人と考えることと同義です。すなわち、八卦同様に九星という範疇においても「天・地・人」の三才が存在するということとなります。

ただし、五黄土星はあくまで「九星」の一つであることも忘れてはなりません。五黄土星と他の九星との間に、五行の相生や相剋関係は普通に成立しますし、方位支配の範囲が他の九星よりも勝っているということもありません。人々に対して及ぼす、その影響力の度合いが大幅に異なるということです。暗剣殺方位に回座する九星についても同様です。